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【写真交換日記145】from London「本屋での苦悶」

花森安治の仕事 ― デザインする手、編集長の眼」、私も見たかったです。話題になってましたよね。

子どものころ母親が雑誌好きで結構いろいろ購読しており、その中の1冊が「暮らしの手帳」でした。時代を意識した華やかな雑誌に交じって、独自路線を突き進む感じの「暮らしの手帳」。最初は「地味な色の雑誌」「言葉遣いが独特…」と思っていたけれど、徐々に子どもにも読み応えがある雑誌だと気づきました。

毎回「エプロンメモ」が楽しみでした。小さな暮らしのヒントが小粋で思わず唸ったり。その後、90年代に出版された「ご馳走の手帳」という食べものにまつわる別冊(年1回だったと思います)も大好きで、何冊かはロンドンにも持ってきて繰り返し読みました。今も大好きな本「巴里の空の下オムレツの匂いは流れる」「東京の空の下オムレツの匂いは流れる」(石井好子著、「暮らしの手帳社」刊)を知ったのもこの雑誌でした。

イラストの線が独特で、「震える線」とでも言えばいいのか、ほんとうにわずかに縮れたような線で書かれる絵が素敵で可愛くて、真似してみたけど真似できなかった。

…と、書いていても話が尽きない。「暮らしの手帳」世代では全然ないのに結構思い出があるのだと、書いていてびっくりしました。でも残念なことに、花森氏は’78年に亡くなっているので、私が読んだ「暮らしの手帳」はすべて花森氏が亡くなった後に発行されたものなんですよね。

ヨーコさんの「才能に嫉妬した」のくだり、よーく分かります。

圧倒的な才能を前にしたとき、私の場合、ただひたすら「すごい」と思う場合と、自分の無力さとか無能さとかを突き付けられて打ちひしがれる場合とがあるようです。後者の場合は、自分がやりたいことや大切に思っていることにかすっている分野のことが多いのかも。較べるなんておこがましいと思いつつも、どうしてもヒリヒリしてしまう。それをすべてバネに変えられたらと思うけど、結構じっとりクサクサしてしまうことも多いような。情けない(涙)。

この写真はロンドンの本屋さんで撮影したものだけど、日本の本屋でそんな気分になることが多いです。毎年、一時帰国する度に長い時間を過ごす本屋さん。その時期、本屋さんで悶絶苦悶している人がいたら、それはたぶん私です。

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