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【朝のコーヒー、午後のお茶】コーヒーご法度のころ(by hanako)

※【朝のコーヒー、午後のお茶】コーヒー、紅茶を飲みながら思うこと

子どものころ、コーヒーを飲ませてもらえなかった。

ときどきコーヒー牛乳を買ってくれたことはあったし、中学校では牛乳に溶かして飲むとコーヒー牛乳になる「ミルメーク」なる粉末が給食についていた。なので「なんちゃってコーヒー」には親しんでいたものの、“いわゆる普通のコーヒー”は飲ませてもらえなかった。

お茶と紅茶は家でもよく飲んだのに、なぜコーヒーはご法度だった?

それは「頭が悪くなるから」。

母親が「子どもがコーヒーを飲むと刺激が強すぎて頭が悪くなる」という旨の記事をどこぞの新聞か雑誌で読んだらしく、「コーヒーは飲んじゃダメ」とキツく言われて育った。

まあ子どもにとって“いわゆる普通のコーヒー”はただ苦いだけのものなので別に毎日飲みたいわけじゃないのだけど、「ダメ」と言われれば飲みたくなるものだし、おいしそうに見えるもの。

ごくたまに長い休みの時などに連れて行ってもらったデパートの喫茶店でアイスコーヒーにアイスクリームがのった「コーヒーフロート」を“特別に”注文できたりすると、それはそれは大事に飲んだことを憶えている。

とは言え記憶を掘り起こしてみると、「コーヒーゼリー」は子ども時代に時々食べた記憶がある。飲み物のコーヒーはNGだけど、コーヒーゼリーはいいって、全く筋が通らない。

今思えば母親もそんなに強いポリシーがあって言っていたわけではなかったのかもしれない。でも子どもにとって親は絶対的存在で、掟は掟。「そういうもの」だと思って過ごしてきた。

が、しかし。割と大人になってから、今度は私が新聞で読んだんですよ。「適度なコーヒーは子どもの脳を刺激して、活性化につながる」と書いてある記事を。つまり、コーヒーは頭が悪くなるどころか、脳に良いらしい!

…全く反対…じゃないですか、コレ!?

びっくりして母親に即抗議。

「子どもが飲むとバカになるからってコーヒー飲ませてくれなかったけど、どうも頭にいいらしいじゃないの!」

と恨みをぶちまけてみた。そしてその答えにまたもやびっくり。

「そんなこと…言ったっけ?」

言った本人、全然覚えてなかった。あんなに言ってたのに…。

そんな程度の掟だったわけね。

以来この件は何かの時に母親をイジるネタにしている。

===

そんな「あの頃」から幾年月。毎日朝からコーヒーを何杯も飲む生活を続けて長い。コーヒーのない朝なんて考えられないし、仕事とコーヒーはセットだから切り離せない。

こんなにコーヒーが好きなのは、子どものときに飲ませてもらえなかったからなのか?

今でもこの一件をよく憶えているところをみると、私の深層心理にそこそこ刻まれているような気がしてならないが、いつのころから親の掟が私の掟ではなくなり、私は誰の目も気にせず1日何杯も好きなだけコーヒーを飲んでいる。

歳をとるのはツラいこともあるけれど、私は子ども時代に戻りたいとは全然思わない。

今のままでいい。今のままがいい。

大人って自由だ。

コーヒーを飲むたびに、よくそう思う。

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