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【遠くに暮らす、両親のこと】はじめて気づいた日(by hanako)

*【遠くに暮らす、両親のこと(高齢者の環境/医療/介護)】
日本の地方の街に住む70代の両親にやってきた老後。遠い国(イギリス)に住む私に何ができるのか? これから両親のこと、高齢者を取り巻く環境や医療、介護のことについて考えながら書いていきたいと思います。

これからしばらくの間、私の両親、そして2人を取り巻く医療や介護の状況について書いたり考えたりしていこうと思います。

私の両親は北関東のとある街(大きくはないけれど、そう小さくもない市)で2人で暮らしています。共に70代(後期高齢者)、ギリギリ戦争の記憶がある世代。兄一家は東京に暮らし、私は10年以上ロンドン暮らし。ここ数年は年に1度、1カ月ほど一時帰国して両親と過ごしています。

両親の体調が思わしくないことをはっきり自覚するようになったのはここ3年のことです。

まず先に具合が悪くなったのは父でした。10年ほど前に心臓のカテーテル手術をしたものの順調に回復して元気にしていたのですが、3年前に30年来の糖尿病を原因とする糖尿病性網膜症が悪化しました。痛みを伴う目の手術を4回も受けたものの、結局父は左目は失明してしまいました。

左目が失明し、右目の視力も0.1程度になった父は、生活のさまざまな点で支障をきたすようになりました。目の前のものが良く見えないだけでなく、バランスが取れないのですぐに転んでしまいます。また手術を繰り返していた時期に急速に体力もなくなったようで、これまで何の問題もなく歩けていた距離がどんどん歩けなくなり、また立ち上がるのが大変などの動作の面でも変化が表れはじめたのです。

そんな父を支えていたのは母でした。小柄ですが割と元気な人で、これまではあまり病気もせずに過ごしてきた人だったと思います。しかしここ数年は母も帯状疱疹や気管支炎などを何度も患うようになっていました。


↑高校生の頃、喫茶店に行くと私がアイスティー、父がクリームソーダを頼むことが多く、運んできてくれるお店の人がよく「反対に」に置くので、それを見て「フフッ」と笑うのが習わしでした。その後父の糖尿が悪化し、今は糖質制限をしているのでクリームソーダは長いことご無沙汰。

昨年一時帰国したときにハッとさせられる出来事がありました。

ある晩、両親と私、普通に3人で夕ご飯を食べ終わり、そろそろ片づけ…と思ったとときのこと。

「ちょっと調子が悪いから、横になってくるね」

母はそう言うとすーっと席を立って寝室に行ってしまったのです。

…今の…なに??

さっきまで普通にご飯を食べていたのに、普通に話していたのに、具合悪そうに見えなかったのに、なぜ❝❞、❝急に❞具合が悪くなる!?

驚く私に、父は

「最近、こういうの多いんだよ…」

とつぶやきました。

…私は絶句しつつ、本気で怖くなりました。

両親が、「確実に」老いつつある…。

父は4年前までは視力の問題もなく普通に車を運転し、私の一時帰国の際は空港まで迎えに来てくれていました。

母もフットワークが軽い人で、時間ができると「ちょっと行ってくるね」と言って、2キロ先の本屋さんまでトコトコ歩いていってしまうような人でした。

思えばこのときにもっとちゃんと認識し、心の準備も「知識」の準備もはじめていたらよかったのかもしれません。

誰でも必ず歳をとります。そして老後がやってきます。

そんなことは分かっているけれど、「自分の両親にも❝老い❞がやってくる」という事実は何となくぼんやりした「遠い先のこと」のように思っていました。

でもこのとき、その日があまり遠くない❝かも❞しれないことを始めて意識したのでした。

===

これが1年前のこと。

哀しいことに、その後状況は予想以上のスピードで変化していったのです…。(続く)

 

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