カルチャーレビュー

  • 2026.11.02
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」と書籍「太閤記 解剖図鑑」

11月1日放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」冒頭で九州平定が数秒のナレーションで終了してしまったことに、あまり驚かなくなってきた。というのも、「豊臣兄弟!」は日曜人情劇場だと認識している。第65作の今作は「豊臣秀吉の弟・豊臣秀長を主人公に、百姓から下剋上を経て天下統一するまでを描く」(出典:ウィキペディア)
のだが、公式サイトにあるように、「(中略)天下一の補佐役・秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く波乱万丈のエンターテインメント!」となっている。この「ダイナミック」と「エンターテインメント!」というのが肝で、ダイナミック=ダイナミックな歴史改変、エンターテインメント! =楽しませるためならなんでもあり!な演出になっている。

幼い頃から大河ドラマを視聴してきた身としては、首を傾げる場面も多いが、若い人を取り込みたいという意図は汲める。予算の関係もあって合戦シーンは省いているのかも、と思ったりもする。きっと、私のようにモヤっとしながらも視聴し続ける大河ファンも多いのではないだろうか。そんな方におすすめしたい本が、「太閤記 解剖図鑑」だ。監修者はNHK大河ドラマ「どうする家康」「豊臣兄弟!」の時代考証を担当している、柴裕之さん。 時代考証を担当している人の本だと、余計にモヤっとするのでは、と思われるかもしれないが、サブタイトルに「豊臣秀吉の虚像と実像がマルわかり」とあるように、今回の大河ドラマでは描かれない、実像がわかりやすく書かれている。

本の構成は秀吉のステージごとに5章に分かれており、主な出来事を1見開きで紹介する。右ページで江戸時代に大流行した「太閤記」を絵と文章で解説し、左ページで史実はどうだったかを解説する見やすい構成だ。人気になった秀吉のイメージと、今なお新事実が発見されている史実を読み比べることができるので、正直、人情味の強いドラマのシーンで居心地が悪くなると、本書を開いて、史実との違いを確認したりして楽しんでいる。しかも「その時秀長は」というコラムがたびたびあるため、なんだかんだ、やはり秀吉が目立ってしまうドラマのお供として、ちゃんと活躍している秀長の状況を確認できる。

ドラマを見ながら本を読むという楽しみ方は初めてだが、歴史ものには良いかもしれない。大河も終盤になってきたが、これまで「豊臣兄弟!」を見てきた方が改めて「太閤記 解剖図鑑」を読んで史実を確認するのもいいかもしれない。

秀吉の天下取りを見届けて亡くなった秀長をどう描くのか、秀長の死後をどう描くのか、気にしつつ年末まで今年の大河を完走したい。

※上部の写真はイメージです。

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