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ブルックリン

20205/15

へこんでも、へこんでも、人生は続いてる。映画『フランシス・ハ』 

「あーあ、へこむなあ」なんて出来事は大人になってもしょっちゅうですが、そんなとき、何をするのが一番気が紛れるのか?

私はなんと言っても1位は「寝る」ですが、2位は「映画観る」、3位は「歩くorお風呂」でしょうか。皆さんはどうなんでしょう。2位の「映画観る」では割と激しめのアクションとかサスペンスを観ます。強い女性の主人公が理想です。例えば『マッドマックス 怒りのデスロード』とか『ミレニアム』シリーズ(本家スウェーデンの方です)は本当に最高です。(些細なことがどうでもよくなる)

でも今回ご紹介するのは、ダメな女性が主人公。どのくらいダメかは、ぜひ作品を観てほしいのですが、自分がへこんでいる時、「一緒にへこんでみる」のもひとつの映画鑑賞の魅力かもしれません。苦い青春映画のお供にはマグカップにコーヒーをたっぷり注いで、さあ開演!

コーヒー

『フランシス・ハ』 ノア・バームバック監督
2012年 アメリカ

ヒロインのフランシスは27歳、ダンサーの夢を持って、大学時代からの親友のソフィーとニューヨークのブルックリンで同居生活をしている。誰よりも大切なソフィーが部屋を出ていくことになり、元々ダメなフランシスの生活にはへこむ出来事ばかりが起きて…。もがきながらもどう自分の道を進んでいくのか(いけるのか)?というコメディタッチの青春ストーリー。

ううう、主人公のダメ女ぶりがもう痛すぎるよ。肝心のダンスはあまり上手くない、掃除しない、ガサツ、コミュニケーションうまくとれない、空気読めない、張らなくていい見栄を張る、友達の悪口言う、人の幸せに嫉妬する、お金ないのに使っちゃう、素直じゃない、タイミング悪い。仲のいい男子からは「非モテ」とことあるごとに言われてしまう。「頑張れ変人!」とも。

ああ、すごくダメなんだけど、自分にも思い当たる節があるからこそ、フランシスには感情移入せずにはいられない。「どうして、そこでそんなこと言っちゃうのよ!?」とフランシスに心の中でツッコミを入れるけど、その瞬間にものすごい勢いでブーメランが自分の額に突き刺さる。でもこのダメさの演出って監督と脚本と演者の巧さあってこそだと思う。わざとらしくなってはおしまいなのだ。多分女性観客はその辺敏感で、わざとらしいダメっ子&ドジっ子演出には厳しいはず。(私だけかな?)

ダメなフランシスだけど、フランシスにはフランシスの良さももちろんあって、街中を踊りながら駆け抜けていく様子はとてもキュート。バックミュージックのデビッド・ボウイ「モダンラブ」の曲調が、へこむ出来事があっても挫けない主人公の明るさを表しているようにも思える。そしてなんと言ってもこの映画の特徴はモノクロだということ。モノクロであるがゆえに、主人公をはじめとした「登場人物の個性」や「青春の瑞々しさ」がかえって際立っているように思う。かつてのヌーヴェルヴァーグのモノクロ作品のように。

いろいろあっても、見てくれてる人や気にかけてくれる人はいるわけで、フランシスは不器用でも居場所があるわけで。フランシスは27歳だけれど、年齢関係なく、人にはへこむ出来事が当然あるし、そんな時隣で一緒にマグカップ片手に話せる人がいるといいなと思う。この映画のタイトル『フランシス・ハ』の『ハ』の意味は最後の最後にわかる。とっても主人公らしくて笑ってしまった。あと、「喧嘩ごっこ」は人を選ぶよ!フランシス!

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