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202011/28

【今日の云々:カルチャー日記 in London】2020年11月23日~29日「三島由紀夫、英ドラマ『Life』、ISからの帰還、『テロルの決算』」

↑TOP画像はBBC iplayerからのキャプチャです。

■11月23日(月):ETV特集『三島由紀夫 50年目の“青年論”』

3.5 out of 5.0 stars

この番組、放送前から楽しみにしていました。いままでとは違う角度からの三島論だったのでその点では興味深かったものの、内容的には不満足。

文学と青年への眼差しに焦点を当てているのは新しいです。彼の文学は彼の生き方とは分けて語られるべきなので、彼の文学が美化されるのは良い。

でも彼が「実は良い人だった」と短絡的な誤解を与えることも可能な番組に仕上がっている気がして、そこはとても嫌だったです。

この番組を見て、以前妻と子供に少し触れていたドキュメンタリーがあったのを思い出しました。それで、妻のことと子供の事を少し調べてみました。

娘・平岡(富田)紀子氏は現在61歳、息子・平岡威一郎氏(58歳)。2人は現在父の著作権保護者になっているらしい。

2人についてあまり詳しい情報はないけれど、なんとなく「三島のこども」として生きている印象を受けました。特に息子氏の方。

偉大な親を持つと、辛いですよね、きっと。偉大な親を持っていなくても、そのことぐらいは分かるような気がしました。

■11月25日(水):英ドラマ BBC『Life』全6話

4.0 out of 5.0 stars
↑画像はBBC iplayerからのキャプチャです。

前から気になっていたドラマ、寝る前にちょこちょこ視聴していました。マンチェスターにある大きなフラット(集合住宅)に暮らす、年齢も背景もまったく異なる4世帯の物語。各々異なる複雑な問題を抱えていますが、少しずつ絡み合っていくドラマです。日本でも配信中のドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』の登場人物がアナ&ニール・ベイカーが出てくる、「ちょっとだけスピンオフ」なドラマです。

https://www.youtube.com/watch?v=y4dpJPRu4gE

女医フォスター 夫の情事、私の決断

アルコール依存症、熟年夫婦の危機、同性愛、鬱などの割とよく見かけるテーマを扱っているのですが、うま~い具合にすべてを「1つの箱の中(フラット)」で展開し、住人を行き来させてまとめあげているのがいいなあと。また「まとめ」の方法が、大変現代的。「慣習にとらわれず、自分の気持ちに正直に行動すべき」というメッセージが押し付けがましくなく伝わります。

『女医フォスター 夫の情事、私の決断』に出てくる“アナ・ベイカー”は、『Life』では名字も名前もどちらも変えて登場します。演じているのはヴィクトリア・ハミルトン。「行っちゃった」感じの演技が素晴らしいです。

『女医フォスター 夫の情事、私の決断』も見たくなりました。

■11月27日(金):BBCドキュメンタリー番組『Return from ISIS: A Family’s Story(ISからの帰還。ある家族の物語)』

4.5 out of 5.0 stars

見終わった後も、強烈な印象が残り続けているドキュメンタリーを視聴。こういう感覚は久々です。

アメリカ・インディアナ州北部に住んでいたある家族を追ったドキュメンタリー。夫と妻、幼い子供2人の4人家族がシリアで渡り、ISに参加。その後夫はIS戦闘で死亡しますが、残りの家族(+シリアで生まれた子供2人も含む)はアメリカに帰還します。

しかしこれは「命からがらISから逃げ帰った家族の物語」というだけではありません。

まず番組の冒頭、幼い息子が自爆兵器の組み立てを義父から習っている映像に釘付けになります。

↑この息子は、ISの広報ビデオにも出演させられています。その部分を頭出ししてあります。

番組の前半で、妻は「モロッコ移住の予定がシリアに連れていかれた「夫主導でISに参加してしまった」「自分は何も知らなかった」と証言しています。彼女の発言から視聴者は「夫に騙された悲劇の妻と子供たち」と信じて途中までは見進めるのですが、後半、雲行きが怪しくなります。製作者側が妻の発言や行動を検証すると、さまざまな矛盾点が浮かび上がるからです。

徐々に「妻もISに参加することを知っていたのでは?」となり、「妻のIS参加までの足取りの奇妙な点」も明らかになります。

そして、妻の子・マシュー(妻の連れ子)や、夫が買った性奴隷(10代のシリア人の女の子2名)と子ども奴隷(シリア人の幼い子供)へのインタビューもあり、ラッカ(ISの首都とされたシリアの町)で何が起こっていたのか事実が積み重なっていき、物語の層が厚くなります。

アメリカに帰還後妻は逮捕されますが、ここからまた別の謎が出てきます。「テロを許さない」と謳っている国・アメリカで受ける裁判なので、検察側は何としても妻に「テロに加担した」ことを認めさせようとします。司法取引を持ち掛け、応じないと妻は終身刑、応じれば減刑―― 妻は司法取引に応じたため、一家がシリアに渡った本当の理由やその背景がうやむやになってしまいます。

このドキュはなかなか見ごたえあったので、後で別記事で詳しくまとめる予定です。

■11月29日(日):沢木耕太郎『テロルの決算』

テロルの決算

まだ読み始めたばかりなので☆は書きませんが、同じ1960年を題材にした『危機の宰相』よりは大分読みやすいです。

社会党委員長の浅沼稲次郎とを殺害した、右翼の少年山口二矢についてのノンフクション。

すぐ読み終わりそう。ものすごく面白いです。

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