© matka All rights reserved.

podcast85

【podcast85】過去の炎上広告から考えるジェンダー

こんにちは。東京在住豊里耳(とよさと みみ)です。

地球の反対側に暮らす ロンドン在住の「フローレンス22世」と東京在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話す「環・地球おしゃべり」、それがマトカのpodcastです。

最近、世の中のジェンダー平等への意識の高まりを感じつつ、ジェンダーギャップについて考えることが多い今日この頃です。本来であれば、新しい価値観を提案して欲しい広告ですが、いまだにどうしても旧来の「男らしさ」「女らしさ」を求める広告や、性別役割分業を想起させるステレオタイプ的な広告も多く、結果炎上→謝罪…。そんなことから、ジェンダーについて、あれこれ話してみました。

音声内で話したツイッター上で見た広告のリストですが、出典がわからないので、私の方で検索・編集して一部をまとめてみました。

====

●1974年ハウス食品インスタントラーメン「ハウスシャンメンしょうゆ味」
キャッチコピー「私作る人、ぼく食べる人」 参考文献はこちら

●2014年ヘーベルハウス「妻の家事ハラ白書」参考文献はこちら
夫への同情もありつつ、夫は家事を『手伝う』という前提が問題に。

●2015年ルミネCM 動画はこちら
仕事で疲れた顔をしている同僚女性に対し、男性が「(いつも綺麗にしている職場の若い女性と違い)大丈夫、需要が違うから」と言う。

●2016年資生堂CM 参考記事はこちら
25歳の女性に「今日からあんたは女の子じゃない」
「(頑張っている様子が)顔に出ているうちは、プロじゃない」など。

●2017年VOCE「女の市場価値はいくつまで?」記事 参考記事はこちら

●2018年花王エッセンシャルのPR
「ちょうどいいブス」 参考記事はこちら

●2018年ワコール 男性用のTシャツ広告
「東北美人に抱かれているような下着」 参考記事はこちら

これ下着?と驚くようなパンツから、 東北美人に後ろから抱かれているような感じのシャツまで 夏にピッタリのアイテムに干場氏もヤミツキ!

ワコールブランドTwitterより(削除済み)

●2020年「日本モンキーセンター」(愛知県犬山市)の男性飼育スタッフが、公式ツイッターに

『モップくんが大好きなんです!』と来園してくださる方は素敵(すてき)なお姉さまばかりだと思っていましたが、なんと!本日初めて『女子』にお会いしました!!

日本モンキーセンターTwitterより(削除済み)

と、女性の後ろ姿の写真とともに投稿していた。

●2020年アツギ、「タイツの日」PR企画「ラブタイツキャンペーン」
イラストの一部に、性的な描写を連想させる不適切な表現
参考記事はこちら

===

上に挙げたのは女性差別が含まれるものですが、男性差別の要素がある表現も広告に限らず目にします。先日の「国際男性の日(11月19日)」にも男性の「生きづらさ」に関する記事を読みました。「男性はこうでなければならない」にプレッシャーを感じている人が半数以上もいるのですね。

ポッドキャスト内では話しませんでしたが、イギリスでは、「ジェンダー 表現の広告規制が設けられているそうです。

1.役割:特定の性別から連想される職業や役割を描く
2.性格:特定の性別から連想される特徴や行動を描く
3.からかい:ジェンダーの固定概念に合致しない人の振る舞いや見た目をからかう
4.性的対象:性的な対象として人を描いている
5.“モノ”化:体や体の一部をフォーカスして描く

businessinsider.jp

全部日本の広告ではあるあるなんですが….。イギリスの広告基準協議会(ASA)はさらに細かい規制も決定しているようです。BBC NEWSより

日本でも企業側の体質が変わらないのであれば、規制があってもいいのでは?
そこまでしなくてもと思う人もいるかと思いますが、子供はこういった広告を見て育っていくのだから。未来のジェンダー平等のためにもね。

また来週お耳にかかります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

【podcast247】もうすぐ政権交代かも…イギリス地方選挙2024がありました。

2024年5月2日にイギリスでは地方選挙がありました。イギリスは「統一地方選挙」ではなく、ほぼ毎年地方選が順次行われていくシステムです。

podcast246

【podcast246】映画「オッペンハイマー」鑑賞後あれこれ考えてしまうので話してみました

アカデミー賞受賞作品は劇場で観ることにしているワタクシですが、クリストファー・ノーラン監督作品でもあって期待大でした。3時間の大作ですが、劇場で鑑賞してその後もあれこれ考えられる、いまだに体験が続いているような映画です。そんなあれこれ考えたことを、イギリスで鑑賞したフローレンスさんと改めて話してみました。

【podcast245】イギリスの大掃除の季節は「春」その理由とは?

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

podcast244

【podcast244】NHK大河ドラマ「光る君へ」と連続テレビ小説「虎に翼」、2人の女性がどう活躍していくかに期待

平安時代の紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」と女性初の弁護士となった三淵嘉子さんがモデルの連続テレビ小説「虎に翼」、時代は違えどどちらも女性が男性社会で活躍するドラマという点で共通しているかと思います。

【podcast243】半分失業。そこから始めた実験について。

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

ページ上部へ戻る