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【朝のコーヒー、午後のお茶】6月の日本で (by hanako)
※【朝のコーヒー、午後のお茶】
コーヒー、紅茶を飲みながら思うこと。
母の肺ガン手術のため、6月~7月頭まで日本に一時帰国していた。
(この辺のことは「前のめりでスキップ」でちょこちょこ書きました。)
1か月と少しの間、本当にいつでもどこでも「コーヒーと一緒」だった。
帰国前半は主に母の入院先に通う日々だった。母の手術前は、病院1階のスタバに通い、一緒にお弁当を食べた。私と父はアイスコーヒー、母は大好物のコーヒーフラペチーノ。フラペチーノをストローで飲むのではなく、スプーンですくって「食べる」のが母のやり方。氷多めで作ってもらうとスプーンですくえるぐらいの堅さになる。それを1さじ1さじ大事に食べる。
糖尿病の父は糖質制限をしているから、フラペチーノは基本禁止。でも父の大好物でもある。「ひとくちだけ」と懇願し、ひとくちではなくスプーン山盛りに3口分ぐらい食べる。「お父さん、ダメだよ」と制しながら笑い、手術前の不安なひとときをやりすごした。
手術の日もコーヒーと一緒だった。
病院の中は涼しいとはいえ、湿気のある暑い日だった。大きなペットボトル入りのアイスコーヒーを冷凍庫で凍らせて病院に持っていった。手術がどれだけ掛かるかは分からない。待つ間、病院は待合室を提供してくれた。
お弁当を食べ、コーヒーを飲み、私はパソコン持参で仕事をした。何杯もコーヒーを飲んで時間が経つのを待った。手術室の様子は分からない。持っていった1L瓶はすぐになくなり、病院内のコンビニに新しいものを買いに行った。広い病院を歩いたり、買い物したりがいい気分転換になった。4杯目のコーヒーを飲み終えた頃、手術が終わった。
実家で3週間もの間父と2人で過ごしたのは初めてだったが、案外スムーズに行ったのは「コーヒーシャーベット」のおかげかもしれない。長年の糖尿病の結果、合併症が目に直撃している父。ここ数年、糖質制限を頑張っているが、甘いものは大好物なので辛そうだ。スタバで注文できない「コーヒーフラペチーノ」もどきを家で毎日作った。
濃い目に作ったコーヒーにココアパウダーとダイエット甘味料を混ぜる。そしてタッパーに入れて凍らせる。薄く凍ったところでスプーンでガシガシと砕き、それを3回繰り返すと粗めのシャーベットができあがる。今流行りのカキ氷のようなフワフワ間はないけれど、その分暑い日に似合う「シャッキリ、さっぱり感」のあるシャーベットだ。
病院に行った日は夕食後に、病院に行かない日はおやつ用に、少しだけお皿に盛って手渡した。片目が失明している父は物の位置がぶれて見えるから、私がお皿を手渡そうとすると両手で大事そうに受け取る。そしてシャーベットの位置を丁寧に確認して、スプーンですくう。毎日私がシャーベット作りのために「ガシガシ」と氷を砕いていると、その音を聞いて「シャーベットちょうだい」「アイスちょうだい」と言いにくる。あっという間に食べてしまうから、「作るのが追いつかないよ~」と言いながらまた少しだけお皿に盛る。毎日暑かった。父は「溶ける前に」と少し急いで、でも大事そうにスプーンを動かしていた。
母が退院して少しだけ落ち着きを取り戻した頃、2つ年下のいとこが仕事の休みの日に3回も車で連れ出してくれた。ウチは田舎だから、便利なものはすべて郊外の大型店にある。100円ショップとか二トリとかユニクロとか無印とか大戸屋とか、車が運転できない私は自力では行けないが、普段ロンドンに暮らす私にはすべてが「ワンダーランド」。彼女はそれを知っているから、フルタイムで仕事をし、小学生の子どももいる超忙しい時間をぬって連れて行ってくれるのだ。(本当に感謝!)100均で便利グッズを物色した後大戸屋で揚げたてアジフライを堪能し、ドリンクバーで何杯もアイスコーヒーを飲んでおしゃべりした。流行の古民家カフェにも行き、大きなオムレツを食べた後、丁寧に入れてくれたエスプレッソで作った濃いアイスラテを一緒に飲んだ。本当に美味しくて、ほっとするひとときだった。
いろいろあった1カ月を、コーヒーを飲んで乗り切った。
ロンドンに戻り、数日猛暑日があったものの、ここ数日は涼しい日が続いている。
ロンドンでも毎日飽きずにアイスコーヒーを飲んでいるが、今、目の前のグラスの中の氷はなかなか溶けない。
そんな溶けない氷を眺めつつ、あっという間に氷が溶けてしまったついこの間までの日々を思い出す。じっとり暑く、そして不安な気持ちで過ごした6月の日本での1カ月。本当に暑くて、そして濃密な日々だった。

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