© matka All rights reserved.

20204/18

【今日の云々】監督の映画 -作品は罪か否か-

先日、新型コロナニュースに埋もれていた、ウディ・アレン監督についてのニュースを目にした。

1992年、養女ディラン・ファロー(当時7歳)への性的虐待疑惑から回顧録が 出版取りやめになったというニュース。映画最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」はすでにアメリカで公開中止になっている。ちなみに日本では2020年夏に公開が決定。

ディラン・ファローは1992年にアレンからの性的虐待を告発しているが、その際起訴は見送られた。そして、2年前からの#me too運動の高まりから、ディランはメディアに出演して積極的にアレンを糾弾している。参考サイトはこちら

#me too運動の高まりに伴って糾弾されている監督はアレンだけではない。リュック・ベッソン監督キム・ギドク監督。#me too運動以前からだが、ロマン・ポランスキー監督、、ベルナルド・ベルトルッチ監督(2018年死去)。監督ではないけれど、多くの映画をプロデュースしてきたプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン。(※不起訴になっていたり、有罪になっていたりはそれぞれの監督で異なります。リンク先の記事を参考にしてください。)

映画が好きな私としては、本当に残念な気持ちになる。

若いときから映画に影響を受けてきた私の「人格」と、いい作品に触れ感動した「時間」が否定されるような感覚にもなる。

映画は監督のものだけではない。いい作品を作ろうと、俳優やスタッフが知恵を絞り、工夫し、技術や労力を注ぎこんだ作品。そして、お金を払って時間を割いて映画を観に行った観客。その全員が残念な気持ちになるだろう。

 アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞しているウディ・アレン。関わった作品は59作品。私も全てではないけれど、多くのウディ・アレン作品を見て、楽しんだ。ウディ・アレンが疑惑を否定している現在、これらの作品に罪はないと思いたいが、そうもいかない。性的虐待は立証が難しいので、この先も起訴はないかもしれないが、もう純粋に楽しむことはできないと思っている。出演俳優によるギャラの寄付も相次いでいる。

強い権力を持つ監督による性的虐待、セクハラやパワハラは、これまで断れなかったり告発しにくかっただろうが、#me too運動で、ひとしきり膿を出し切った後は、エンターテイメント業界をはじめこのようなことは本当に起こって欲しくない。直接被害を受けた方だけでなく、作品を楽しんだ(楽しみにする)多くの観客へのある種のハラスメントでもあるから。

というわけで、「コーヒーと映画」のテーマで、ウディ・アレン監督「マンハッタン」のオススメテキストを以前書いたのですが、アップせずにいます。

また次回別のコーヒーに合う作品を紹介したいと思います!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

【podcast245】イギリスの大掃除の季節は「春」その理由とは?

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

podcast244

【podcast244】NHK大河ドラマ「光る君へ」と連続テレビ小説「虎に翼」、2人の女性がどう活躍していくかに期待

平安時代の紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」と女性初の弁護士となった三淵嘉子さんがモデルの連続テレビ小説「虎に翼」、時代は違えどどちらも女性が男性社会で活躍するドラマという点で共通しているかと思います。

【podcast243】半分失業。そこから始めた実験について。

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

20244/2

【おいしいもの in London】最高のブリティッシュ・ビーフパイ- Canton Arms, Stockwell, London

ガストロパブとは、「食事もできるパブ」のことです。ロンドンのおいしいガストロパブは東と北に集中しがちですが、ここは中心部からやや南。南の地域でもっとも有名なガストロパブです。

podcast242

【podcast242】おすすめ映画映画『デューン 砂の惑星PART2』レビュー

普段は映画館で飲み物を飲まない私ですが、この映画を観る前には「なんか喉渇きそう」と思って思わずコーラを買ってしまいました。結果正解。壮大な砂漠シーンが目の前に広がり、没入体験を存分に味わえるこの映画は飲み物必須でした。PART1も含めてあれこれ話してみました。

ページ上部へ戻る