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20207/17

【今日の云々】少しの間ネットを見ずに音楽を聴いてみようかな③紅茶BGM

ほぼ1日中、仕事をしている。(←なんとかしたい)

音楽は仕事中は聴けない。 (←たぶんどうにもならない)

となると音楽を聴く時間がとてつもなく少ない。(←これはなんとかなるかもしれない)

以前は通勤していたのでその時間に音楽を聴いていた。スマホではなかったときは「ipodもどき」を持っていたが、持ち忘れて家を出ると何とも手持無沙汰で辛かったなあ。

今は主に、掃除中とか台所仕事中とかに聞いている。でもその時間はラジオを聴く時間でもあるので、なかなか何曲も聞けなかったりする。通勤していたころのことを懐かしいとは思わないが、でも通勤時間は貴重だったと今になって思う。

===

ときどき仕事のブレイク中、パソコン画面を閉じて音楽を掛ける。コーヒーか紅茶1杯分、ただただ音楽を聴く。これをやるときはかな~りお疲れモードの日だ。

以前「コーヒーBGM」について」書いたけれど、通常聞いているジャンル(いわゆるロック系です)はコーヒーよりもお酒が似合うこともあり、「案外音楽ってコーヒーと合わないんだなあ」と思ったりした。

↑「コーヒーBGM by Hanako」

今回は私が相当お疲れモードのときに聞いている「紅茶BGM」を書いてみるが、コーヒーBGMと比較し、紅茶BGMは割にパパっと何曲も思いついた。

クラシックとの親和性が紅茶の方が高いからかもしれない…と言いつつ、3曲の内クラシックは1曲だけだけど。

===

① オペラ『ジャンニ・スキッキ』から『わたしのお父さん』(プッチーニ)

プッチーニが完成した最後のオペラ『ジャンニ・スキッキ』の1曲。「このオペラは知らないけど、この曲だけは知っている」と言う人が多いと思う。私もそのひとり。

私がこの曲を知ったのは、いわゆる「イギリス・コスチュームドラマ&映画」の火付け役となった、ジェームス・アイボリー監督『眺めのいい部屋』で使われていたからだ。

刷り込みとはすごいもので、この曲聞いただけで美しすぎるフィレンツェの街並みと、イギリスで紅茶啜っている超かわいこちゃん時代のヘレナ・ボナム=カーターが目に浮かぶ。

歌の内容は、「好きな人と結婚させて~! でないと、川に身を投げます」と娘がお父さんに(やや脅迫もこめて)必死に訴える恋歌なのだが、ソプラノの音域がうお~っと音が上下するメロディにはスケール感がある。聞くだけで、小粒な家に住んでいる私でも、おっきな窓を開け放って絶景見ながら優雅に『お紅茶』飲んでる気持になれる、有難い曲なのである。

この手のアリアを毎日聞きたいとは思わないけど、本気で疲れちゃったときに聞くと癒されて元気になれる。そしてこの時ばかりはいつものマグカップじゃなくて、ちょっと上品なカップ&ソーサーがいい。丁寧に淹れた“お紅茶”を、ゆっくり味わいながら聴きたい1曲。

② 『Stay (I miss you)』(リサ・ローブ)

これは特に夏の歌ではないけれど、私にとっては永遠の「アイスティー曲」。“一服の清涼剤”っていう言葉がぴったりだなあと、聞くたびに思う。透き通ったリサ・ローブの声に何とも癒され、氷が解ける「カラッ」っていう音まで聞こえてきそうな、そんな曲だ。

リサ・ローブはロンドンに来るずっと前によく聴いていた。1994年の映画『リアリティ・バイツ』に使われてブレイクした曲だが、可愛いメガネちゃんのルックスも、オリーブ少女を引きづっていた(今も引きづっている)私にはドキュンときた。素直すぎるメロディはたまに「可愛らしすぎる」とも思ったけれど、「リサちゃんだったらそれもアリだわ~」と思うぐらいのごひいきだった。

そんなリサちゃん、ロックダウン中に自宅ライブを結構マメにやっていた。この名曲も歌ってくれたが、全然変わらず「リサちゃん」だった。すごい、ちゃんとキープしてる!(現在52歳)。25年以上たっているのに、佇まいが全然変わらない。

↑今年3月に公開した動画。保ってるよ、リサちゃん…。

ロンドンの夏は短いが、美味しいアイスティーを淹れた日にこの曲を聴くと、夏の爽やかさをさらに満喫できる気がする。

③『Only You』(yazoo)

80年代が何かとブームな現在。80年年代は「レトロでいいよね」というよりも、私にとっては割とちゃんと生きていた時代なので、愛憎アリアリの、ひとことでは言い難い時代である。

なので80年代の曲は、割と取捨選択して聴いている。聴くとドロッとした気持ちになる曲も多いからだ。

この曲の発表は1982年で、その頃のチカチカした音をバッチリ詰め込んだような音が特徴。なぜか不思議と愛憎の「愛」の方だけがよみがえり、「憎」の方は脳裏をかすめない。あたたかい紅茶をマグにたっぷり淹れて、ぼやっと聞くと「Only You」というベタな歌詞も心に響き、1曲終わるころに少し気分が違っている。私にとっては「時間旅行」ができる曲なのだ。

…と私はこの曲に対して割と高評価なのだが、ある日横耳で聞いていた夫のヒトから「チープな音」と一言でキョーレツにディスられ、笑ってしまった。

ちなみに、夫のヒトは、私の100倍音楽、特にUKロックを愛している人です。

yazooはこの曲がヒットした翌年に1度解散したが、2008年に再結成。最近の活動はほぼ聞かないが、1982~83年にヒット曲が数曲あるし、今80’sブームだからその印税でたぶん食べていけてるはず。

紅茶を飲みつつそんなことを考えるのも切なくっていいのである。

===

世の中は巡り、流行りも廃れたりリバイバルしたりといろいろ。でも美味しい紅茶はそのままだ。

今日はロンドンにしてはまあまあ暑かった。夕方になっても22度。書きながら、キンキンに冷えたアイスティーを飲んでいる。

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