© matka All rights reserved.

【イギリス風刺漫画を読んでみる】誰も、いない

イギリスの風刺漫画をコツコツ読み解きます。

誰もいないロンドンのビル街。

1959年の『パンチ』誌の表紙だが、あまりにも今のロンドンの風景と一緒で驚いた。

ビル街(ロンドン中心部の東側にある「シティ」と呼ばれる金融街のように見える)に新聞を広げるジェントルマンがひとり。なぜひとっこ一人いないのかというと、新聞に書かれた「Sunday News」の文字がヒント。

そもそも、日曜日の金融街はコロナ禍でなくてもがらんどうなのだ。

そこでのびのび、新聞を幸せそうに広げている男性。日曜版は平日とは紙面構成が違うもの。カルチャー系の読み物や特集が充実しているので、日曜版を楽しきにしている人は多い(わたしもその一人)。

ひとりで新聞をゆっくり読めるよう、わざわざシティに来たのかもしれない。週末の開放感とのんびり感が伝わる絵だ。

===

このイラストを描いたのは、ウィリアム・スカリー(William Scully、1917 – 2002年)。ノッティンガム美術学校で学び、『The Bystander』から漫画家としてのキャリアをスタート。第二次世界大戦中は陸軍に従軍し、英陸軍雑誌『AIM』のアート・エディターを務めていた。その後『パンチ』『ニューヨーカー』『ロンドン・オピニオン』等多数の媒体で活躍した。温かみのある、そして空間を感じられる作風が特徴と言われる。

↑こちらはスカリーが描いた、1955年刊行『パンチ年鑑』の表紙。最近のロンドンの雪景色そのまま。

===

現在、週末でなくても特に金融街はがらんどう。オフィス街で働く人のほとんどが現在在宅勤務だ。平日のランチ時にはファーストフードやコーヒーショップのチェーン(例えばスタバ的なもの)に人があふれていたけれど、今は出勤者がいない=お客さんがいないので、ずっと休店したままだ。

先日ロンドン中心部に久々に行く機会があった。たぶん2カ月…ぶり? 電車に乗ること自体が久しぶりでキョロキョロしてしまった。

少しだけ人通りがあったものの…

ほとんどの人が、大規模なビル工事などをする建設業者の人たち。

コロナ禍でも建設工事は継続中。人通りや車が少ないので、街中の工事はやりやすそう。この日が雪降る寒い日でした。

いつの日か、また人通りが戻るだろうか?

まだその日は少し先だけど、希望を持って待っている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

podcast117

【podcast117】【ネタバレ有】ドキュメンタリー『カルロス・ゴーン:最後のフライト』について語る

先日記事としてもUPしましたが、カルロス・ゴーン(元日産CEO)の世紀の大逃亡劇を自分でべらべら語るドキュメンタリーがBBCで放送されました。とても面白かったので、ポッドキャストでも紹介しました。

イサム・ノグチ展あかりシリーズ

【写真交換日記243】from Tokyo 「梅雨明けの猛暑を逃れて“イサム・ノグチ展”」

セレブ歯医者に通うハナコさんの前回の写真交換日記を読み返して、「そうだ私も歯医者に検診行かねば!」と思うのでした。意図しないところにお金が…

20217/19

【前のめりでスキップ(ロックダウン・ロンドン日報)】2021年7月18日(日):「短い夏と、パブと、フリーダムディと」

ここ数日、夏らしい日が続いているロンドンです。そして明日は「フリーダムディ」。イングランドのソーシャルディスタンス策が撤廃になるのです。

podcast116

【podcast116】「食品成分表」からの食クイズ!(小ネタ)

普段生活していて、「食品成分表」の本を読む機会のある方は少ないかと思いますが、「食」は全ての人に関係あるもの。「食品成分表」はペラペラめくってるだけでも実はとっても面白い読み物なのです!そんな「食品成分表」の中からワタクシ耳からフローレンスさんへクイズを出題する形式で、食に関しての小ネタをさまざま話してみました。皆さんも一緒に答えを考えてみてくださいね!

20217/16

【ややネタバレ有】ドキュメンタリー『カルロス・ゴーン:最後のフライト』世紀の大脱走、その一部始終を「自分解説」

TOP画像:BBCオンライン版のキャプチャ画像より。© 2021 BBC  BBCのドキュメンタリー番組「Storyville」は英国内外の事例を骨太な視点で描いた作品を放送・配信しているシリーズだ。

ページ上部へ戻る