© matka All rights reserved.

20213/5

【ドキュメンタリー(短めレビュー)】私も不登校したかった。:BS1『セルフドキュメンタリー「不登校がやってきた」』を見て思うこと

4.0 out of 5.0 stars

最近、「セルフドキュメンタリー」がドキュメンタリー界のトレンドなのかな? コロナ禍の影響で撮影が出来なかったこともあると思うけれど。セルフだと、第三者に取材されるより緊張感がないので、意外な言葉がポロリと漏れて面白い。

この番組はTVディレクター&プロデューサー夫婦の家庭をセルフで追ったもの。3人の子供のうち、小学生の次女と長男が不登校に。アニメやイラストを使い、ポップで柔らかな感じで不登校の現状を描いている。

↓NHKサイトからの概要抜粋:

小学4年のわが子が突然不登校になった。学校に行かせるべきか?子供の気持ちを優先し休ませるべきか?私はテレビディレクター。一体どうするのが正しいのか。みずからカメラを持ち、子供が通う学校、フリースクールからそして全てを親が教えるホームスクールまで、さまざまな現場を訪ね歩いた。初めて知った“不登校の真実”。揺れ動く親としての思い、刻々と変わる子供と家族の姿。学校とは教育とはその本質に迫るこん身の記録。
2021年2月23日放送
(C)NHK/ドキュメンタリージャパン

NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2021112338SA000/index.html?capid=sns002

視聴しながら、私の暗黒時代(小学校~25歳ぐらいまではずっと暗黒なんだけどさ)を思い出し、「私も不登校したかったなあ」と思った。私はおっそろしく悩み深い子供だったので、特に小中は学校なんぞに行きたくはなかった。あんな理不尽と差別と偏見にまみれた中に毎日行きたくはなかった。

でもド田舎で暮らしていたし子供に人権なんかなかったので、そんな要求はどうせ言ったって通らないから、ひたずら忍耐の日々だった。

今の子供が抱える問題と、私が子供だったウン十年前とでは状況は異なるので単純比較はできないが、でも、この家庭の場合、両親2人が見識を持ち合わせ、経済的に困っていないインテリ層なことも良い方向に働ていると思う。もし貧困家庭であったり、親がこういったことに興味がなかったとしたら、子供に不登校を言い出す自由があったかは分からない。

子供に選択肢があり、発言する自由がある家庭のドキュメンタリーだったのはとても良かった。次女ちゃんがぽつりぽつりと話す例は胸が痛かったけれど、それでも全体的に心穏やかに視聴できた。

長男君もこのままのびのびっと育ってほしいな~。

NHKオンデマンドでの視聴はこちらから。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

podcast196

【podcast196】映画『BLUE GIANT』とNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』から感じた夢と目標の置き場所

人生も長くなり、状況もどんそん変わっていく世の中で「夢」も変化していっているのかなと思います。最近のエンタメでも「夢」は持ちつつ、実際の「目標」をどこに置くのか。というリアルな課題が登場人物に課されることが多いなあと思います。そのことを考えるきっかけになった2つの作品を紹介しながら、あれこれ話してみました。

20233/14

【わたしの家の話】築120年の「普通の家」に引っ越して半年。

2022年8月にロンドン内で住み替えしました。築120年超の古民家暮らしの厳しい現実を綴ります。 今「タグ」を確認したら、「わたしの…

【Podcast195】故ジャニー喜多川氏の「ある疑惑」に迫るBBCドキュメンタリー

日本でも一部の人たちには話題ですが、3月7日(イギリス時間)に故ジャニー喜多川氏による性加害について取材したBBCドキュメンタリーが放送されました。タイトルは「プレデター:J-popの秘密のスキャンダル(原題訳)」。なかなかショッキングなタイトルです。

podcast194

【podcast194】私たちの好きなナレーター、ナレーション

以前から自分の声や話方にコンプレックスのあるワタクシ、いい声や話し方に対して憧れが強く、普段テレビ番組やラジオを聴いていてナレーションを気に掛けることが多いです。一方、ドキュメンタリーを数多く視聴するフローレンスさんもナレーションの重要さを実感していて、2人で好きなナレーターについてあれこれ話してみました。

【podcast193】イギリス現況:野菜がスーパーから消えている…

イギリスで先日「スーパーで野菜と果物が品不足…」というニュースが報道されました。これには理由があるのですが…について話しました。

ページ上部へ戻る