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【アートの周りで】陶器の花がむくりと起きる

*アートを見たり、触ったり、体験したり。傍に行って思うこと、考えたこと。

こんな仕事をしているので「物を作る」仕事をしている人に会う機会に恵まれている。

アーティストであったりクラフトワーカーであったりいろいろだが、考え、想像し、そして手で生み出すそのプロセスを直に見る機会は本当にぞくぞくする瞬間だ。

特に創造の現場出あるスタジオに入れてもらえるときは、この仕事をしていて良かった…と心底思う。至福のひととき。

手の動き、作業台の上の小さなメモ、使い込まれた道具たち。1つ1つをいつまでも見つめていたいと毎回思う。

陶芸作家として活躍する細野仁美さんのスタジオに行ったときも同じ気持ちだった。

細野さんの作品は以前から知っていた。まるで細密画のように密集して作られる草花“たち”。“たち”と書いているのは「生きてる」といつも思うからだ。

美しさを持て余しているような陶器の花や草“たち”は、今すぐむくりと顔をあげ、蔓を伸ばし、歯を広げ、花をさらに咲かせそう。

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温度を感じる陶器の草花。ミュージアムやギャラリーで見るたびに、いつも体温のような温かさとなまめかしさ、色っぽさを感じていた。

スタジオでお目に掛かった細野さんは、笑顔を絶やさず、1つ1つの質問に丁寧に、そして快活に答えてくれる女性だった。

作品もたくさん見せていただいた。

窯の中で待つ作品。ここから世界に巣立っていく。

細部に至るまでの繊細さに圧倒される。いつまでも、眺めていたい。

奥の奥まで細かく美しい装飾が施された作品。覗かせてもらえた幸せ。

細野さんへのインタビューを<フィガロ・ジャポン>に書きました。美しい写真と共に、細野さんのこれまでのこと、そして「ウェッジウッド by ヒトミ・ホソノ コレクション」についても書いています。(記事はコチラから)

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