© matka All rights reserved.

【写真交換日記204】from London「ミュージアムの思想」

ヨウコさんの耐熱グラス、とっても素敵。

宇宙 紅茶
【写真交換日記203】
from Tokyo「宇宙で紅茶」

実はほぼ同じ形のものを、テートモダンのカフェで見たことがあります。

カウンターでカプチーノを頼んだら「ごめんね、今日コーヒーマシーンが壊れてしまっています。フィルターコーヒーでいいですか?」と言われ、でてきたのがとても似たグラス(↓)でした。

最近理科実験用みたいなデザインのガラス製品をよく見かけます。
コーヒー4人分が入ったこちらのジャグもそんな感じ。
シンプルで洗練されていて、素敵です。

なだらかな弧を描くフォルムが素敵で、お盆の載せられてでてくると、ワタクシも含め4人全員がサッとスマホを出して写真撮影を始めたので笑ってしまいました。そのぐらい美しい形。

いいなあ、これ家に持ってるんだ…。モノを全然増やせない貧乏性のワタクシ。うーん、素敵なものはやっぱり思い切った方が多分いいんだよね。我が家は全然物が増えませんw。

===

さて、先日ヨウコさんに送った「絵葉書通信」のハガキ(↓)もこのテートモダンのショップで買いました。

絵葉書通信
【絵葉書通信12】from Hanako in London

テイトモダンのカード売り場。
いつ行っても楽しい場所。


テートモダンのショップはいつもいろんな仕掛けがあって楽しいでの、毎度結構長い時間ウロウロしてしまいます。

書籍売り場。アートやデザイン本だけではなく、
料理や園芸、世界の雑誌等「見て美しい本」もいろいろ。


皆さん、長々立ち読みしています。
店内にテーブルと椅子もあるので「座り読み」も可能です。

先日行ったとき、こんなコーナーを見つけました。

一見普通のカラフルな本棚なんですが…

よーく見てみてください。

なんだか、オサレな現代美術の殿堂には似つかわしくないこのお2人。

右『ドナルド・トランプの美しいポエム集』
トランプの発言やツイッターコメントを集めた〝詩集”

左『ウラジミール・プーチン:ライフコーチ』
プ―ディンに学ぶ、コーディング本

どちらもロブ・シアーズ著。


こちら、トランプとプ―ディンを賛美している本ではありません。自伝でもありません。彼らの言葉などから引用し、ポエム集に仕立てたりコーチング本にしている、つまり

思いっきりトランプとプーチンをディスりまくっている本です。

トランプのポエム集はYoutubeがあり…

私は差別主義者とは程遠い人間だ。
黒人といつも仲良くやってきた。
タイガー・ウッズが大変だったときもずっと仲良しだった。
私の名前は、他の度の名前よりも黒人ヒップホップに使われてるんだ
(トランプの発言からの引用)

悪意ありまくりで素敵です♡


プーチンの方はインスタでアニメーション↓がありました。

この投稿をInstagramで見る

Canongate(@canongatebooks)がシェアした投稿

その横には↓ブレグジットやイギリス政府をディスっている本の数々。

「ブレグジット一コマ漫画」
「ブレグジット物語」
などなど…

つまりレジ前に位置するこの棚は「現在の政治にモノ申す!」コーナーだったのです。

このミュージアムは、トランプにも賛同しないしブレグジットにも反対だよ!」と明確な意思表示をしているわけです。

テート、やるなあw。

テートモダンは国立のミュージアムではありませんが、イギリスを、そしてロンドンを代表するミュージアムの1つです。そこにあるショップがこんなにはっきりと政治的ポリシーを打ち出しているなんて、なかなかすごい。

ブレグジットはしてしまったし、ボリス・ジョンソンは右派&強硬離脱派として知られる首相です。この状況を楽しく見ていない人は多いですが、黙ってしまうのは簡単なこと。

でもこんなにウィットに富んだ方法で声をあげている。

テート、かっこいい!

そしてまだこういったことを主張し、発言できる自由はイギリスには残っているんだなあと思いました。

多分…日本では厳しいですよね。

何だか嬉しくなって、ニヤニヤしながらショップを何周もしてしまいました。そして、私もちょっと皮肉っぽいことを言いたくなって、書いたのがコチラ↓だったわけです。

【絵葉書通信12】from Hanako in London

ハガキを買ってそのままテートモダン内のカフェに直行。光が当たる窓際のカウンター席に座ってコーヒーを飲みながら、ちょっとニヒルな気持ちでヨウコさんにハガキを書きました。

Everything is going to be allright.
すべてはきっと、大丈夫

絵葉書通信

とネオンで書いた、マーティン・クリードのインスタレーションの写真のハガキ。

コロナウィルスもあるし、ブレグジットのディールはまとまらなさそうだし、異常気象で洪水は起こるし、この冬は雨ばかり。

状況は全然大丈夫なんかじゃありません。

悪くなる一方…に見えるこの頃です。

でも…
でも…

もしかしたらまだ何とかなるのかもしれない。

「発言する自由」が残っていれば、まだ大丈夫なのかもしれない。

そんなことを思いながら飲むコーヒーは美味しかったです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

【podcast245】イギリスの大掃除の季節は「春」その理由とは?

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

podcast244

【podcast244】NHK大河ドラマ「光る君へ」と連続テレビ小説「虎に翼」、2人の女性がどう活躍していくかに期待

平安時代の紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」と女性初の弁護士となった三淵嘉子さんがモデルの連続テレビ小説「虎に翼」、時代は違えどどちらも女性が男性社会で活躍するドラマという点で共通しているかと思います。

【podcast243】半分失業。そこから始めた実験について。

地球の反対側に暮らす イギリス在住の「フローレンス22世」と日本在住「豊里耳(とよさと みみ)」。 2人がぐるっと電話でつながりアレコレ話…

20244/2

【おいしいもの in London】最高のブリティッシュ・ビーフパイ- Canton Arms, Stockwell, London

ガストロパブとは、「食事もできるパブ」のことです。ロンドンのおいしいガストロパブは東と北に集中しがちですが、ここは中心部からやや南。南の地域でもっとも有名なガストロパブです。

podcast242

【podcast242】おすすめ映画映画『デューン 砂の惑星PART2』レビュー

普段は映画館で飲み物を飲まない私ですが、この映画を観る前には「なんか喉渇きそう」と思って思わずコーラを買ってしまいました。結果正解。壮大な砂漠シーンが目の前に広がり、没入体験を存分に味わえるこの映画は飲み物必須でした。PART1も含めてあれこれ話してみました。

ページ上部へ戻る