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鶏

20198/4

【写真交換日記189】from Tokyo「命のための命と多様性」

コベントガーデンの写真、いいですね。壁面緑化ビルは日本でもたまに見ますし、屋上緑化は少しづつ進んでいるように思いますが、もっともっと進んでいくといいなと思います。

少し前になりますが、東京大学総合研究博物館特別展示「家畜 ―愛で、育て、屠る―」を見てきました。展示監督である遠藤秀紀教授がラジオに出演されていて、興味を持ったからです。

私はビーガンでもベジタリアンでもなく、基本的になんでも食べますし、肉も野菜も同じ命と思ってありがたく美味しくいただいています。だけども、スーパーや精肉店でお肉を買う時に、鶏や豚や牛の精肉される前の姿をぼんやりとは思い浮かべますが、それはイラストのようなデフォルメされた形のように思います。

今回、この家畜展に来て、剥製ではありますが、鶏の羽や爪やくちばし、牛の筋肉の隆起、蹄の大きさなど迫力ある動物の姿を見ると、「そうなんだよな。屠殺前はそれぞれの個体で、それぞれの命と毎日があったことを思い起こさせます。

特に鶏の剥製はありとあらゆる種類の鶏の剥製がずらりと並び、その種の多様さに圧倒されました。だけれども、資本主義が進み、コストと合理性を求められる社会になり、鶏は「ブロイラー」という種にほぼ絞られているとのことです。日本では人口の3倍の3億〜3億5千の鶏が飼われていますが、現在の技術により「ブロイラー」は生まれて55日で2~3Kgに成長し、精肉されるとのこと。(資料Ouroboros 23による)

約8週間の命が、今日の手軽に鶏肉を買える生活を支えていて、栄養をもらっているということ実感すると同時に、合理性の為に、他の種が淘汰されてしまう(淘汰された)ことに複雑な気持ちになります。

まだ観に行けてませんが、映画『シード ~生命の糧~』の内容を見ると、植物も生産性の為に種の多様性が失われつつあるということがあるようです。


お肉や野菜が買いやすいことは、とってもありがたいことなのですが、多様性が失われることの現実にも向き合う必要もあり、私個人に何ができるのか、悩ましいことです。

長くなりましたが、遺伝子の研究が進む中、人間だって淘汰される未来がSF映画ではなく、現実になるのかも。とふと思ったりしました。

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