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【写真交換日記199】from Tokyo「耐熱グラスとガラスの40代」
瞬く間に年が明けて、新年になりましたね。街には「おめでとう」の声が溢れていますが、もちろん「おめでとう」の気持ちではない人もいるわけで…。日本ではいのちの電話の相談件数が一番多くなるのは、世間が盛り上がるクリスマスからお正月の期間なんだそう。ハナコさんと同じく、私も心がチクチクします。
昨年映画『ジョーカー』を観て、いろんな感想がありますが、「人の気持ちに寄り添うことの大切さ」を強く感じずにはいられませんでした。物語の人物には共感したり、同情したり助けたくなったりするのに、実際の生活でどれほど人に寄り添うことができているかというのは難しいです。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の一説にも世界の裏側の人に同情できるのに、なぜ近しい人に同じ気持ちになれないものか。といったような内容がありました。(すみません、正しい引用がわかれば後日お伝えします)
大人になっても誰しもガラスの心は持ってるものですよね。10代だけでなく。熱い飲み物を入れても大丈夫なくらいな耐熱グラスになっていても、落とせば割れる。「あなた一人が悩んでいるわけではない」といった腐った常套句は大人には聞き飽きた。そんな時に言葉ではなく1本の映画で救われることもあると思います。
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『ひかりのまち』 (Wonderland) マイケル・ウィンターボトム監督
1999年
カフェで働く恋人募集中の主人公の女性「ナディア」を主人公として、バツ1子持ちの美容師の姉、妊娠中の妹と今の仕事に疑問を感じている義弟、そして隣人に悩まされる年金暮らしの両親。誰もがぼんやりとした不安や、苛立ち、孤独感やうんざりした気持ちを抱えながら、暮らしている。その家族の1週間の物語。
登場人物の誰もに感情移入して、明日の幸せを願ってしまう。特に「ナディア」の感じる感情は、都会で一人暮らしの経験のある人ならば、誰しも味わったことのあるような、苦く辛い寂しさではないだろうか。
主人公の働くカフェにて、性格バラバラな3姉妹がカフェで集まり相談するシーンや、毎日のように来店するシャイな青年との交流は、生のロンドンを感じさせる。また、人間模様のシーンの合間に差し込まれる夜の風景、ぼんやりとした多くの光が過ぎ去っていく早回しのシーンは、流れていく(流されていく)時間と気持ちを表しているよう。都会だからこそ孤独が癒されると感じる
何かを変えようともがく中で、フンワリと訪れる少しの幸福感。街の明かりが雨で湿って、じわっとにじむように、見終わった後、あたたかなものがじんわりと心に沁みていく。
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【podcast273】冬キャンプのススメ
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