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【Brexit日記】「まさか」の総選挙【EU離脱期限まであと653日】
*【Brexit日記:英国がEUでなくなる日まで】ロンドン在住ハナコが見つめる「イギリスのEU離脱(Brexit)」。離脱完了までを生活者目線で見つめます。
2017年6月14日(火)
「イマココ!」今話題のEU離脱ニュース
BBC:6月8日に行われたイギリス総選挙。メイ首相率いる保守党が大きく議席を減らし、過半数割れの結果に。
All of the results are in. This is how Britain voted in #GE2017 https://t.co/ZCL1dH1wv7 #BBCElection pic.twitter.com/FIhMtxLSWE
— BBC Breaking News (@BBCBreaking) June 9, 2017
BBC:メイ首相、選挙後のスピーチで続投の意向を語る。「確実性のある政府を組閣し、イギリスを前進させる」
I will form a government to "provide certainty and lead Britain forward" – Theresa May https://t.co/8xOR0z6PJc #bbcelection #GE2017 pic.twitter.com/GPFYj5GxH5
— BBC Breaking News (@BBCBreaking) June 9, 2017
BBC: イギリス総選挙の結果が判明後、ドイツ・メルケル首相が初コメント。6月19日から開始されるEU離脱交渉を前に「交渉開始を阻むものは何もない。EU側の(交渉開始の)用意はできている」。
Merkel says EU is 'ready to start Brexit negotiations' https://t.co/LejoqbCbSr
— BBC News (World) (@BBCWorld) June 10, 2017
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5月後半から現在まで、あまりにニュースが多すぎて追いきれない日々が続いている。
イギリスは選挙戦というだけで日々ニュースが溢れているのに、2つもテロが起きた。そして日本もニュースが多かった。共謀罪、憲法改正、森友学園問題に続き「本命」と言われる加計学園問題等々。
濃い目のニュースが多すぎて「選挙好き」なのに追い切れず、不完全燃焼のまま終了(涙)。無念である…。
–*–*–
4月18日にメイ首相が解散&総選挙を発表したとき、保守党は圧勝する“予定”だった。解散時保守党の議席数は330。つまり過半数(326席)を上回っていたのだが、EU側との離脱を始めるにあたり、「ハード・ブレグジット(強硬なEU離脱)」を実現したいメイ首相は国内基盤を万全にしたい(=ガッチガチの保守党政権にして、せめて国内はサクサクとことを進めたい)と考えた。だから本当なら2020年までやらなくてもよかった総選挙をわざわざぶち上げたのだ。
そして迎えた6月8日の投票日。結果は保守党は議席を減らし、過半数割れとなってしまったのはご存知の通り。
「上り坂、下り坂、“まさか”の坂」なんて言葉があるが、メイ首相の「こ、こんなことになるなんて…!」という心の叫びが聞こえてきそうな結果だ。
そのくらい「圧勝確実」「出来レース」と言われてスタートしたこの総選挙だったのだが、しかし実のところ、私には保守党がなんでそんなにも“自信マンマン”で総選挙に踏み切ったのかには違和感があった。「類は友を呼ぶ」とよく言うが、私の周りにはあまり保守党寄りの人がいない。だから私自身、保守党人気をあまり体感できないでいた。
EU離脱は決まったものの、投票者の48.1%が「EU人のままでいたい!」と思ったのも事実。つまり、メイ首相が「強硬EU離脱を政府が推し進めることにいたしましたので、ひとつよろしく」と言ったところで「はい、そうですか」とあっさり納得する物分かりのよい人たちだけでイギリスが構成されているわけではないはずだ。
国民投票から約1年が経過しEU離脱反対派も「もう(離脱そのものについては)仕方ないのか…」とやや諦め&受け入れモードにはなってきている気はする。しかし大企業やメガバンクが本社機能を他のEU国へ移行することを検討しはじめたり、家の値段の下落が緩やかにではあるが止まらないことなど、EU離脱にまつわる不安要素が具体的に見えだしている。こういったことに多くの人は不安を感じていると思うのだが…。
しかし支持率をさかのぼってみると、
なるほど~。確かに選挙戦スタート時保守党VS労働党の差が20ポイント(=%)以上あったのか。これだったら「勝って当たり前。目標は圧倒的な勝利」と思うメイ首相の思惑は分からなくもない。
しかし途中からの労働党の追い上げは凄かったし鮮やかだった。労働党は関税を含む欧州単一市場を維持する「ソフト・ブレグジット」を提唱しているが、保守党VS労働党の支持率の差が狭まったのはマニフェストが発表されてからだ。特に国民保健サービス(NHS)に対する姿勢は注目点となった。労働党はNHSの予算上限を撤廃するなど国民寄りの政策を打ち出したが、保守党が提案した介護費用負担についての政策は多くの保守党サポーターを敵に回し、今回の結果に繋がったと言われている。
–*–*–
過半数を割った保守党政権は連立政権を組まねばならなくなり、声を掛けたのは今回10議席を獲得した北アイルランド保守政党である「民主統一党(DUP)」。正直まったく聞きなじみのない政党だ。そこでBBCオンライン版の記事「Who are the DUP? 6 things you should know(DUPってどんな党? 知っておくべき6つのこと)」を読んでみた。こんな記事があるということは、イギリス人でもなじみのない人は多いのかもしれない。
要約すると:
1)北アイルランドを拠点にし、北アイルランドにだけ候補者を立てている政党。
2)北アイルランド紛争は簡単に言うとユニオニスト(北アイルランドはイギリスの一部であることを支持)とナショナリスト(北アイルランドはアイルランド共和国と統一すべきであるという意見を支持)の戦いと言われているが、DUPはユニオニストの立場の政党。
3)前回の選挙から2議席増加し、現在第5党。
4)ブレグジットを支持する
5)同性婚に反対(この記事には書かれていないが、避妊にも反対)など、強い保守思想を持つ
6)今回の連立はDUPにとって喜ばしいニュースと受け取っている
5)を見る限り、かなり右寄りの政党である様子。特に同性婚はイギリスにおいてもうあまり珍しいトピックでさえなくなっているほど浸透しているだけに、”強い主張”が感じられる。
この記事を読んで、「何だか…イギリスの現状、日本にちょっと似てる?」と思ってしまった。
自民と維新は連立していないが、共謀罪法案を圧倒的に支持したりと何だかすでに与党的振る舞いをしている維新。DUPに維新の匂いを感じてしまったのだが、あながち見当違いでもなさそうな気がする。正直少し恐ろしい。
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今回の選挙結果がEU離脱にどう影響していくのが見ていきたいが、こうもニュースが多いとついていくのが大変で頭のキャパが小さい私はすでにゼイゼイ息切れ状態。ここ数カ月、特に日本のニュースに怒ってばかりで眉間にしわが寄りまくっている。
英語でニュースを調べるのは来英15年たってもまだまだ大変だ。知らない単語のオンパレード。だからもう少し穏やかな気持ちでじっくりニュースを追っていきたいのだが、近い将来叶う日は来るのだろうか?
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