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スタバとワタシ Part3「TSUTAYAのスタバとワタシ」
「スタバ(Starbucks)を観察すると、社会が見えてくる!」との勝手な思い込みで、私のほんの少しの思い出と共に綴る6回シリーズです。お付き合いいただけたら幸いです。
part1「日本のスタバとワタシ」 part2「海外のスタバとワタシ」
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私はたまにTSUTAYA内のスタバに行く。TSUTAYA+スタバは彗星のごとく現れた。それは渋谷の交差点の真正面に、主張の強いガラス張りで、「どうですか、この未来感」という印象だったように思う。というのも、1999年12月のことなので(20年前!)、もうすっかり馴染みの顔で今では全く何も感じない。(内装は2006年に改装されている)

それに続き、2003年には、オッサレーに六本木ヒルズに初のBOOK&CAFEスタイルで、2011年にはセンセーショナルに「代官山 蔦屋書店」にスタバはオープンした(オープン年参考:CCCサイト)。カルチャーとコーヒーの組み合わせに異を唱える者などいるはずもなく、「本を片手にコーヒーを飲む」自分に酔える空間は、瞬く間にみんなの人気物になった。
カルチャー(CCC)という最強のパートナーを得たスタバは、キラキラしている。それはTSUTAYAにとってもそうだ。アプローチの方法は無限にあり、現在BOOK&CAFÉスタイルのスタバは全国に69店舗も存在する(スターバックス店舗検索により)。TSUTAYA内スタバは側で見ていても、すごい売り上げだと思う。しかし、TSUTAYAを「コーヒーが飲める図書館」と認識している人も多いのではと思うくらい、みんな本を買っていない。売れ残った本は出版社へ返品すればいいのだが、レンタル市場が急速に縮小したTSUTAYAの現状もあり、TSUTAYAとスタバのライセンス契約の内容が気になったりもする。まあワタシが心配することではないけれど。
私は「二子玉川 蔦屋家電店」に行く機会が多い。もちろん目的は高級オサレ家電ではなく、カーブに沿って豊富に見やすく配列されている本である。プラプラしながら気になったものを立ち読みし、買う。わりとちゃんと買う。(2回言ってみる)
「ん、スタバに行ってから本を物色しないの?」「立ち読み?」と思われた方は、BOOK&CAFÉスタイルのスタバに馴染みのある方だと思う。そう、ここ(「二子玉川 蔦屋家電店」)のスタバは常に熾烈な席取りゲームが行われていて、ワタシは子供の頃から苦手な席取りゲームにほとんど参加できていないのだ。

そんなワタシも日曜の夜ともなれば、席にありつける時もある。昨年末、脚の疲れを感じながらも重たいデザイン書を立ち読みしていたとき、日曜夜の「あの空気(明日からの会社・学校への心構え)」を感じ取り、ややひとけの引いたスタバでコーヒーを買い、広い店内の奥の方「住まい」コーナーで、ゆったりとしたソファ席の中程に一人分の席を見つけた。いくつかの本を持って座り本をめくっていたものの、いつも席取りゲームに負けているワタシは、座面のやたらと広い白いキャンバス布製のソファーに身を預けきることができず、思わず周りを見渡した。そして、気づいてしまった。
「擬似家族では!?」(※「万引き家族」、「半地下の家族」の「家族」ブームに乗った訳ではないです。念のため)
右隣にはティーンネイジャーの女の子が、足を投げ出してフラペチーノ的なものをすすりながら雑誌を読みふけり、その横にはお母さんと思われる人、そして左隣には30代ぐらいのカップルが小声で話ながら、インテリア雑誌のようなものをめくり、その横には分厚い本をテーブルに何冊も重ねている、メガネの青年。その15人は余裕を持って座れるようなコの字形のソファは、壁をくり抜かれたような中にあり、それはあたかもリビングルームのようで、皆が一つの空間を共有しているように感じた。
全くの他人なのだけれど、その空間では自然な形で思い思いにドリンクを飲みながら、本を読んでは、時折おしゃべりをする。私はなんだか、すごく不思議な気持ちになって、「(擬似)大家族」が集っているように見えてしまった。みんな実際の家族でも家のリビングルームでこんなに長い時間一緒にいることなんてあるのだろうか?
スタバは、全般的に人との距離が近いように感じる。それは実際席の距離が近いということなのだけれど、不思議と窮屈には思わない。お客さんの様子を拝見しても、スタバの空間にうまく共存し、スタバの時間を共有しているように見える。これは他のコーヒーチェーン店ではあまり感じない。なぜだか…。
「二子玉川 蔦屋家電店」でコーヒーをお供にそんなことをひとしきり考え、席を後にし、振り返ると、そのソファのある空間の壁には「住まいを楽しむ人」と書いてあり、「人?」、ああ、お客さんは「展示スペースの題材」だったのだと気付かされた。なるほどね。

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